GRA 公式ブログ

NPO法人GRA ( https://gra-npo.org ),オートバイにいつまでも楽しく安全に乗れる環境作りと    人材育成を目標にしている NPO法人:GRAのブログです

魂とお金のバランスシート

幼い頃はほとんど意識せず、
社会に出てから気づく事がある。
若い頃には無くても気にしなかったが、
やがて、お金が無いと信頼されない事に気付く。
 
でも、それが一番大切なのか  ・・・ ?
 
 
『 資本主義社会の常識 』

社会に出て暮らし始めると、お金が無いと困る事に気づく。
それは、単に衣食住の費用に窮して困る事だけに限らない。
お金が無い者は信用も無いという認識や常識があるからだ。
 
収入が多い者は社会的地位の高い者として扱われ、
収入の多い就職先へ入社する為に勉強をするのは当然で、
その常識に乗りきれない者は負け組と言われる。
 
企業も同じで、資本金、総資産、事業規模の大きさで判断される。
それは入社希望者だけでなく、取引先や銀行、投資家でも同じ基準だ。
資産が無くて調達もできない企業は、誰にも相手をされないのが常識だ。
 
 
『 決算報告の度に ・ 』

NPO法人GRAは、公式サイトに掲載の「決算報告書」にも記載の通り、
2001年以降、「借入金」があり、昨年末決算でも残り続けているが、
その点だけに注目した議案が 「総会」に毎年の様に提出されている。
 
「 イベントを開催して、そこで運営資金を得る必要がある 」
「 信頼を得るためにも、借入金を全て返済が必要だ 」と
 
それは、“ お金は信用 ” という偏った社会常識からは真っ当に見える。
しかし、年度毎の収益は黒字で、ここ数年は借入金を返済しているから、
銀行や資本家的基準から見れば決して悪い状態ではない筈だ。
 
しかも 、NPO法人は、収益が第一の目的の一般企業とは違う。
社会貢献活動を行ない、貢献活動が評価されて寄付金が集まり、
それを運営資金にして活動するのが基本と理解しているが ・・・、
「お金は信用の基本」と言われ続けると、揺らいでしまう時もあった。

 

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『 GRA発足の目的は 』

そもそも、GRAを発足させた目的は “ お金 ” ではない。
全国的に競技系イベントを全国で振興・開催していたカワサキ社(川崎重工)が、
1990年末、翌年からの全国的な開催を中止するとの発表をした際、
それまで楽しく参加して生き甲斐にも感じていた僕は、

「 単なる “ お客様 ” で甘え過ぎていたのではないか? 」
「 主催者サイドの事を考えて十分な事をしてきたか? 」

と自問して反省した事がきっかけだった。
オートバイに乗って楽しめる環境があるなら、その環境を守り育てて、
いつまでも続く様にするのは当然な事で義務だと考えて、
それまで行なっていたDMネットワークと知人・友人の協力を仰いで発足させたのだ。

その時の反省と信念は、今も変わらない。

※参照  [ GRA 誕生のいきさつ ] ・ http://gra-npo.org/policy/explanation/birth.html

 

 『 これから 』

レッスンや練習会などの走行系イベントの開催は年に数回程度に留めて、
“人づくり ” という当初からの目的に向けた活動を更に深めていきたい。
そして、その活動内容と状況をもっと広く発信し続けていく事で、
この活動への注目と理解を広めて、賛同や共感を広げていきたい。
 
それが発足当初からの目的であるし、真の賛同の輪を築く事が出来れば、
 “ 寄付金 ” の輪を広げる事に繋がると期待もしている。
そういう形こそ、NPONGO 等の本質的で一般的な形態だからだ。
  
お金で信頼を得るよりも、目標達成へと向かう事で信頼は得るべきだ。
目標達成できず、お金だけ残っても何の意味も無いのは間違いないから。
 
※参照  [ GRA 目標は ]http://gra-npo.org/policy/explanation/target.html

  
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≪ あとがき ≫

イベント主催者の目標や理念を理解せず、参加する権利はあると考える人達。
自身の楽しみの為に、他者へのモラルを守らず、交通ルールを破る人達。
無分別に改造した車両を走らせる人達と、競って改造用品を発売する業界の人達。
新型車売上の為に、宣伝で煽るメーカーと追従する販売店、メディア業界の人達。
 
それら、権利や収益だけを考える人達が、他者の守られるべき権利を阻害し、
いつまでも、楽しく、安全に、楽しむ環境を育成している人達を挫いています。
そんな状況を少しでも変え、守り育てる人をサポートしたいと考えています。
 
                                               NPO法人GRA   代表理事   小林 裕之