先ず、今回の作業について、良かったことと後悔したことがあるのでそれを書きたいと思います。
何よりも良かったことは「乗っててしんどいバイクなんてない」ってことが分かりました。
「乗りにくいのが味」っていうのは、きっとレシピ通りにつくられていない料理を美味しいはずだと思い込もうとしているだけなんだなぁと。
とにかく気持よく走るようになりました。
バイクはこんなにも気を負うことなく乗れるものだと。
しかし後悔したこともあります。
それは「もう元の状態のバイクなんて乗れない」
「まともにレシピ通りに整備されていないバイクなんて乗りたくない」 ということ、
身体がバイクに対してグルメになってしまったということでしょうか。
では今回の作業後の感想です。
「ちょっ何処へいくのか教えてくれないと不安じゃないか!」
これが整体後の6RRを峠に持っていた最初の感想。
実は整体後の街乗りの感想はとにかく「普通のバイクやったんやこれ」でした。
なにせ曲がろうと思うとフロントが内側へぐぐぐぐぐ・・・カワサキってこんなもんだっけ???と思っていました。
ところが整体後に乗ってみると、なんと普通のバイクのように曲がるんです。
行きたい方向をむいて普通にバイクを傾けるとバンクする。
まさか、こんな普通の体験を6RRでできるなんて思ってもみなかったです。
ということで、かなり楽しく街乗りに慣れてきたところで、カフェブレイクも兼ねて峠へツーリングへ行ってきました。
そこでの最初に出た言葉がこれです。
街乗りで「普通」とかいっときながら「不安じゃないか」とわめくわたし。
何かがおかしい。
油面があがったからで・・えーとトレールが・・えーっと(記憶爆発)わからん!なんか違う!
こういう時は珈琲ブレイクを少し後回しにして走ってみるに限る。
ということで、かなり何往復も六甲山をツーリング。
当たり前のことながら、だんだんと慣れてくるのが人間。
そこで、やっと珈琲ブレイク。
休みながら違いについて考える。
何故恐かったのかを考えると、意外と簡単にも答えに辿りつきました。
「そうか6RRは”バイク様”からオートバイになったんだ」と。
あくまでも私の体感的なことですが、それまでの運転では左コーナーが来ると
「えーと6RR様、左に今から曲がっていきますが、どのラインをあなた様は通ら れるのでしょうか」とお伺いをたてて、なんとなくフロントが切れ込んできた時に「あー6RR様、あなた様はこちらへ行きたいと申しておられるのですね、それでは私もそのように致します」と、一言で言えばバイクに人間が操られていた、いやむしろ6RR様の奴隷になっていたように思います。
もう少しまともな書き方をするとそれまでは
・「バイクはおそらくこういうふうにハンドルが切れ込んで、こういう風なライン を通ろうとするから、それを邪魔しないように」とバイクの挙動を先読みして、バイクの機嫌を損ねないように運転していた。
これが今回の整体を終えて、バイクと対話ができるようになったということです。
つまり
・「バイクの挙動を」先読みするのではなく、「普通に路面状況やコーナーの状況を」先読みしてそれをバイクに伝えたらバイクが勝手に動く。
という違いになると思います。
最終的には「バイクが自由に動くように動かす」ということになるかもしれませんが
・バイクが勝手に動くのに気を遣って土下座して言いなりになる
ことと
・バイクに自分がどうしたいかを伝えた結果バイクが自由に動いてくれる。
この二つは似て非なるものを通りこして全くの別ものでした。
そこでこの辺りを意識して明確に「自分はこう走りたい」と思うとなんと
「をを!バイクが言うことを聞いてくれる」
別に力んでいるわけでもないのにいうこ とを聞いてくれるのです。
しかも整体前はフロントからグリグリと曲がっていく感じだったので、それはそれでスリリングだったのですが、慣れると整体後はやはり「普通」なのです。
だからといってスポーツ性がスポイルされたかというと全くそんなことはなく、
実際に以前の時と比べても試走にもかかわらず全く同じ程度走って怖さがない のです。
いうなれば「不可侵なる普通」ともいいましょうか。
もちろんいつフロントからずぐりぐりぐりといくドキドキ感が好きなマゾっ子であれば以前の仕様で良いのでしょうが、あいにく私はそのような趣味がないので、前の仕様のことは早く忘れたいくらいです。
違いという観点で感想を書いたのですが、実際は色を塗り替えてロゴとカウルをかえたら、多分「別のバイクですよ」といわれても分からないでしょうね。
この一言に尽きます。
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