人口1億人あたりの新規感染者数【感染密度】で各国で比較すれば、感染被害の深刻さの違いが見えます。
英国及びEU各国と東欧、そしてバルカン半島諸国からロシアにかけての地域が感染中心となり、感染拡大が始まってから3週間が経過して、その勢いは衰えを知らず伸び続けています。メディアが伝えている通り、フランスやイタリア、イギリスなどの諸国は3~4月の第一波を遥かに超える感染密度を記録し続けている事が一目瞭然です。そして、感染中心は第一波の際と同様にベルギーやオランダ、ルクセンブルク、チェコなどの地域ですが、今回の第二波ではウクライナやジョージア、モンテネグロなどのバルカン半島諸国とロシアでの感染拡大が更に顕著に表れています。
更に注目すべきは、スイスとスウェーデンです。それぞれに独自の防疫・感染対策を採っている国ですが、今回の第二波への対応が注目されます。特にスイスでは第一波当時の5倍を超える感染密度を記録しており、同国の今後の対応が心配されます。
また、独自の防疫・感染対策で注目され続けたスウェーデンは、隣国のフィンランドとノルウェーが感染密度を長期間低く抑えている事と比較され続け、今後の感染次第で政策に変更があるのか注目もされます。
3~4月の第一波当時、諸国はロックダウンという強制措置を採り、2~3ヶ月かけて抑制に成功しましたが、同時に経済損失と文化停滞、国民生活の窮状や政治不信を招いてしまいました。そんな体験を活かして、第一波当時の10倍を超える感染密度を記録している現在、各国共に全面的なロックダウンを避ける政策に四苦八苦していますが、その感染抑止の効果が表れて安定する時期が来春になったとしても不思議ではありません。
また、ワクチン接種の普及が始まるのは来春以降が確実と見られる中、世界各国の政府だけでなく、不満を溜め続けている各国の国民のデモ頻発などの動きにも注目する必要があります。
世界は既に、経済や文化だけでなく、政治面でも2019年当時と同じには戻れない現象を数多く見せています。
出典 : OCHA
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