新型コロナウイルス禍は、社会経済に深刻なダメージを与える以上に、二度と取り戻す事が出来ない人の生命を多く奪っています。そして、この感染の拡大や対策に対して、国内の専門的知識や経験を持つ研究者の方々から、国の政府・行政に対して常に注意喚起や対策への指針や提案が出され続けています。
しかし、それでも “第三波” の到来を未然に防げずに多くの感染者を生み、医療機関や従事者の方々に負担を掛け、更には国民の生命を失わせる結果に繋がっている現状を見ると、政府行政が 「分科会」と称する専門家の方々の提言や注意報告を充分に尊重してこなかった事も原因にあると考えました。
そこで、専門家の方々から政府行政に対して提出されている資料をより多くの人々と共に確認して、この感染症に対する今後の知見を高め、国民としてより良き行動へと繋げていきたいと考えて、11月24日開催の 第15回 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード に提出された資料の内、各地の『実効再生産数』のグラフ資料を紹介します。
【 厚生労働省・第15回 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード 】
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00093.html
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西浦教授によって提出された『実効再生産数』資料は、全国 47都道府県 全てではなく、その内の 16都道府県だけに留まっています。 その理由を推測すると、47都道府県全てが感染拡大に対して特別な注意を払う段階ではなく、現段階で特に注意を払うべき都道府県に絞り込んだところ 16都道府県になったと思われます。
そして、『 実効再生産数 』とは 一人の感染者が 他に何名の人に感染させる状況にあるかを 統計的に算出したもので、数値が “ 1 ” 以下で推移すれば いづれ収束する事を示し、数値が “ 1 ” より大きければ大きい程に 感染拡大のリスクが大きい事を示します。
ただ、この『 実効再生産数 』を見る際に注意すべきは、感染元になる人は陽性の検査判断された人や入院隔離された人だけを示していない事で、感染しながら自覚症状が無く PCR等の検査も受けていない人を含むという事です。更に、『 実効再選算数 』は 母数となる感染者 又は 感染判定者 の 人数によって 感染拡大の規模・人数が変わる事にも注意を払うべきです。 つまり、感染者数が多い地域であれば 実効再生産数 が “2” 以下であっても危険ですし、逆に 感染者数が僅かな地域で 実効再選算数が “4” を超えている場合には 注意は必要ですが、新規感染する人の人数は少なく報告される事です。
グラフ中の青色線が『実効再選算数』を示し、その数値は右端の目盛で表され、黄色の棒グラフは 報告されている新規感染者数で左端の目盛で人数を示しています。
そして、実効再生産数のピーク・高まりに遅れて 新規感染者数のピークが訪れている点や、実効再生産数は 一定の数値で安定する事なく常に変動し続けている事です。
これらのグラフを見る限り、東京都での危険性を 政府行政やメディア は過少発表している様に見受けられます。
“ 第三波 ”が到来して、全国的に拡大の一途で感染で亡くなる人が確実に増える状況である事を認識しながら、亡くなる人を少なくする為の法案の提出無く、GoToトラベルの延長法案の提出を画策されている状況は、国民の命を守るべき責務を負った政府行政のあるべき姿から考えれば、違和感を感じざるを得ません。
また、ここに掲示した 資料が示す事を正しく認識せず、実効再生産数 が 2 を超えている都道府県名だけを発表するメディアの姿勢にも違和感が感じられます。
出典 : 厚生労働省
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