メディアが一番に報道する「新規感染者数」やそのグラフだけを見れば、一見、“第4波” のピークは過ぎた様に考える人は少なくないでしょう。しかし、感染症で最も重視すべき事、人々の生命を守る事を軽視した見方です。
『 重症者数の影で 』
重症者として闘病されている人の人数は、前週の 1157名から 890名へと 167名少なくなっていて、それだけを見れば多くの人は回復して、やがて退院していく様に思われるかも知れませんが、実際は異なります。
この一週間で亡くなった人は 527名です。その多くの方は、重症となって闘病され、残念ながら亡くなっている人も多くいらっしゃると考えると、新規感染者の人数のピークが過ぎたとしても、重症者数の半数以上に相当する人が一週間に亡くなり続け、今が最多の重症者数になっている事を知れば、これから数週間が “祈り” の期間だとわかるでしょう。
『 グラフだけを見れば 』
グラフだけを見れば、青色線が示す「新規感染者数の増減数」は前週の最悪値から少し減少して、赤色線が示す「治療者数の増減数」は 減少域に入り続けて、このグラフからはピークを超えている状態だと言えます。
しかし、新たな “ 変異株 ” の確認が報告されている現在、ワクチン接種率が充分に高くなっていない事を考え併せると、1月のピークが収まった時と同様に、次の “ 第五波 ” がやってくる事も容易に想定できるので、注意が必要です。
『 介護施設での命を守る為に 』
高齢者の福祉政策は国家行政の大切な大きな柱です。 その柱となっている介護施設の多くでクラスターが発生して、医療機関への入院が断られる中、数多くの方々が亡くなっている事は国の責任と言えます。
国は、全国各地で、一定の統一した集計システムで、インド型やベトナム型と呼ばれる、更に感染力が高いと言われる “変異株” の検査体制を整えるべきです、更に、被害を未然に探知する為に、介護施設を含む地域全体での下水PCR検査などの 検査を行ない、感染の始まりを可能な限り早期に検知する対策を行なうべきでしょう。
そして、沖縄など、感染爆発が確認された地域へ積極的に医療スタッフの派遣や資材の提供を行ない、医療体制の不足や不備などを補い、国民の命を守るべきです。
出典 : 厚生労働省
#COVID19
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