世界各国の感染状況は、人口あたりの新規感染者数【感染密度】で比較しなければ、その被害の深刻さの判断は出来ません。この一覧表は、各国の【感染密度】(人口1億人あたり日別・新規感染者数)で、深刻度が高くなっている程に欄を濃い色で塗り分けています。
『 世界の国別・日別、感染密度推移一覧表 』
New infection case per popuration by country and day
西アジア(中東)諸国の中で、数か月に亘り高い【感染密度】を記録し続けているトルコの状況が、まるで、難民の人々の移動に合わせる様に、ジョージアやクロアチアなどのバルカン半島諸国で感染が拡大して、それがロシアやウクライナなどの東欧諸国、地中海に接したスロベニアやギリシャなどの諸国でも拡大を記録し、それがポーランドやチェコなどの東欧諸国からオーストリアやオランダ、ベルギー、そしてドイツなどで感染拡大を起こしています。
それらの東欧から西欧の諸国では、軒並み、過去最多の新規感染者数や過去最多レベルと同等な被害を受けており、明らかに感染の “波” が起きています。
今後、懸念される事案は二つあります。
一つは、スペインやポルトガルなどの南欧諸国やフランスでの感染拡大の恐れです。フランスは、現在、隣国のドイツと較べると一定度の抑制をしているかの様に見えますが、同国は心機感染者数の報告が特にラフである事が知られている為、政治的な配慮を含めて、その報告数には慎重に捉えるべきでしょう。
問題は、スペインやスイス、イタリアなど諸国への “波” の影響です。EU諸国では、ロックダウン解除と共にビジネスや観光での国境を超えた移動規制の解除が行なわれていましたが、仮に英国の様に死亡者数も多く記録する様になれば、ワクチン接種効果だけに依存するのではなく、再び何らかの規制導入が始まり、経済的・政治的な停滞に繋がる事が懸念されます。
二つ目は、“難民” 問題です。
前記の通り、感染拡大の波の伝わり方は難民の人々の移動と一致していると見る事も出来ます。それは、例えば ポーランドやハンガリーでの状況や、ギリシャやイタリアでの状況を鑑みれば、いずれ難民の人々の移動への懸念が生まれても不思議ではないでしょう。
例え、新型コロナウイルスの感染状況に関心が薄く、難民の人々に対して寛容な国民が多い国家だとしても、政治的不安定な状況を避けたい政府は、“難民”を標的にして自国の政策の正当性を訴える圧力は高まっていく事が予想されるのです。
世界的なパンデミックとそれに伴う国家財政の悪化、国民の不安や不満の増加の圧力によって、政治的・経済的な困窮によって“難民”とならざるを得なかった人々の状況が更に困難になる事が予想されるだけに、メディアを含めて注視を続けていくべき課題だと思います。
なお、情報出典元の OCHA とは「国際連合人道問題調査事務所」の事です
Source:#OCHA ( https://www.unocha.org/ )
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