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COVID-19 世界地域別【ワクチン接種回数】と【感染密度】【死亡者割合】推移グラフ (2021年11月 20 日現在)COVID-19 Vaccine doses and Cases, Deaths per population by country, as of November 20, 2021


COVID-19 Vaccine doses and Cases, Deaths per population by country, as of November 20, 2021 

新型コロナウイルスが地球上に生まれてから2年が経ち、全世界で数多くの人々が亡くなり、世界各国で生活や経済の混乱を招きましたが、ノーベル賞級の画期的なワクチン接種の登場と接種促進にも関わらず、世界は混迷の中から抜け出せず模索の道を歩んでいます。
というのも、ワクチン接種を他国に先駆けて推進して、高い接種率を達成した後に徐々に国民の行動規制解除を進める手法が確定したと思われたのも束の間、その先駆け国の英国では再び高い感染被害に数か月以上見舞われ続け、西アジアシンガポールでも同様な現象に見舞われるなど、高いワクチン接種率だけでは感染被害を防ぎ切れない事実が露呈しているからです。
そして、9月以降、中東から東欧への新たな感染の “波” が発生して、10月中旬以降、EUの東部諸国での感染拡大に繋がり、オーストリアやオランダ、ドイツなどでも過去最多の新規感染者を記録する程になり、一時的に緩和していた各種の行動規制を改めて強化する動きに入っています。
EU 圏内に東から入ってきた “波” は、いづれ 西部の諸国を覆うのは必然と思われ、衛生パス(ワクチンパス)政策を強行に押し進めてきたフランスさえ例外とはならないでしょう。


『 世界各国の ワクチン接種状況 』

最初に、世界各国でのワクチン接種状況を確認しましょう。
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この グラフ「国民 100人あたりのワクチン接種回数 」では、シンガポールが圧倒的に高い接種回数を誇り、それに英国や韓国などが続き、米国やドイツ、ノルウェーは、世界平均を上回るものの、接種率は日本を下回り、接種回数の伸びは緩やかになっている事が判ります。 そんな中、オーストリアが積極的にワクチン接種を進めている様子がはっきりとグラフに表われています。  
      
続いて、各国政府が発表している ワクチン完全接種率の一覧を見てください。
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完全接種とは、そのワクチンが効果を発揮する回数の接種を行なう事ですから、ジョンソン & ジョンソン社製のワクチンの様に 1回接種タイプを多く採用した国は、国全体の接種回数は少なくても、高い完全接種率を示す事になります。
そして、このグラフでトップを占めるのは UAEシンガポール で、それに続いて 70%以上の高い接種率の国々が並び、日本は英国やドイツ、フランス以上の割合を記録している事が判ります。


  

『 ワクチン接種者と未接種者との感染率の違い 』

次は、ワクチン接種者と未接種者との違いを見てみましょう。
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米国での調査結果のグラフですが、今年に入ってワクチン接種を積極的に始めて半年後の7月以降、接種者と未接種者との間で感染率(グラフは 人口 10万人あたりの数値)に大きな違いが表われています。
このグラフが示す事は 三つあります。一つ目は、接種者であっても「フラッシュオーバー」と呼ばれる感染がある事。 そして二つ目が、感染者の多くを未接種者が占めており、感染拡大と新規感染者として報告される人の大半は未接種者である事。
そして三つ目は、最も深刻な事ですが、新型コロナウイルス禍を防ぐ為に ワクチン接種を選んだ人が、ワクチン未接種で感染した人によって感染させられている事を示しています。



  
『 世界の主な国家の【感染密度】推移 』

先ずは、世界の各地域から代表的な国で、人口あたりの新規感染者数【感染密度】の推移をグラフにまとめてみました。
      
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このグラフでは、トルコが原因不明の突発的な数字を報告して目立っていますが、それ以外の諸国を観察すれば、英国は、ワクチン接種行政の成果として行動規制緩和を行なった後の感染拡大を抑えきれていない事が明らかです。しかし、1月に看板政策の EU離脱を果たした後に減速した経済を回復させる為、海外労働者不足であらゆる品が不足して国民生活が不安定な中、以前の様なロックダウンを行なう事が出来ない状況だと推察されます。
また、この英国の動きを追う様に、行動規制緩和を進めてきた ドイツで急速な感染拡大が起き、ドイツに先駆けて東欧の ウクライナやロシアで感染拡大が起きている事もはっきりと表れていますが、それ以外の地域の諸国では感染拡大を起こしていない様子もはっきりと表しています。

   
では、今回の感染拡大の中心地域となっている、東欧から西欧、南欧と北欧などの地域での【感染密度】の推移グラフを見てみましょう。

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このグラフでは、2度に亘り新規感染者数の大幅な過大報告をしたフランスが、その修正の為に大幅なマイナス数値修正を行なった跡が目立ちますが、直近には感染拡大の兆候を示している事が判ります。
このフランスよりも低い【感染密度】に留めているのは 全世界の平均を除けば、イタリアとスペインだと言う事がはっきり見えます。 逆を言えば、それ以外の諸国は、フランスを遥かに凌ぐ大幅な感染拡大の渦中に入ってしまっている事がはっきりと表されていて、特にオーストリアとベルギーではかなり深刻な状況に一気に追い込まれている様子が見えてきます。
   
そして、北欧に目を向けると、高い【感染密度】につられるように隣国の アイルランドでは感染拡大を起こしており、アイスランドノルウェーでは過去最多レベルの新規感染者数を記録する様になるなど、南欧に続いて、EU圏内でも感染拡大が更に進む事は確実に思われます。


  
  
『 世界各国、COVID-19 による 死亡者割合の推移 』

感染症で最も懸念されるのは人が亡くなる事ですから、次は、感染拡大を起こしている国々での【死亡者割合】( 国民100万人あたり 死亡者数 )のグラフを見てみましょう。
        
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9月以降、中東から東欧へ感染が伝わった後、バルカン半島ジョージアウクライナでは深刻な割合で亡くなる人が急増した事がはっきりと表れています。
それに続いて、急速に【死亡者割合】が増えているのが、ロシアやポーランドオーストリアなどで、下降気味の米国を除けば、グラフ中の多くの国々で深刻な結果を残し続けており、ベルギーやドイツ、オランダに混じって、ワクチン完全接種率が 約90%を誇っている シンガポール が 高い【死亡者割合】を記録している事が注目されます。



『 まとめ 』

こうして考えてみると、このウイルスが出現して 2年以上も経過していているのに、現在も感染の主流は “デルタ株” であるのに、ウイルスの研究とワクチンや臨床薬の開発が進んでいるというのに、何故、各国が強力して臨床結果や研究結果を共有した対策を進めないのか?疑問に思われます。
政治体制が大きく異なる国同士は難しくても、せめて、EU諸国間では共有できる筈だと期待していたのですが、9月に始まった感染の “波” が EU諸国に伝わり、慌てる様に規制強化へと舵を切り、国民の強硬な反対デモに直面している様にしか見えないのです。
感染状況を真摯に捉え、70%を超えるワクチン接種率でも充分に感染を防げない事例を認識し、刻一刻とEU圏に迫る感染の危機を 丁寧に国民に説明して共有し、真剣に対策を議論して進める事が充分ではなかったとしか思えないのです。
      
第二次大戦後、国家や民族間での不和を解消して、協力して共通の利益の為に誕生したのが EU の筈です。
世界トップレベルの 研究機関を多くの加盟国が持つのが EU です。国家間の政治的な思惑を抜きに、優れた知能と施設を活用して、世界をリードする感染対策を発揮して欲しいと願っています。

 

<資料出典 : OCHA、Our World in Data >

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