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世界各国でのCOVID-19被害、ワクチン接種との関係性 (2021年12月 3日現在)

   
COVID-19 Disasters around the World, Their Damage and Relationship to Vaccination (as of December 3, 2021)
   
COVID-19のウイルス被害が確認されて丸2年が経ち、世界各国で感染対策やワクチン接種を含めての医療体制が様々な形やレベルで行なわれてきています。その上、文化や風土の違いも重なり、単に各国での被害状況を「新規感染者数」の多寡だけで語るのは適切とは言えません。
感染被害状況と対策を適切に捉える為に、“人口あたりの死亡者数” と “人口あたりの枠地接種者数” そして “ワクチン種別” などの要素を織り交ぜて、簡単な解析に試みてはどうでしょうか。そんな解析こそが、今後定期的に出現する変異株や感染拡大の波に対処する力に繋がると考えています。


『 人口あたりの死亡者数 』

感染対策の最大の目的は死亡者数を少なく抑える事です。 その死亡者数を人口が異なる各国間で比較するには、“人口あたりの死亡者数” で確認するのが最適です。

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このグラフは累計の数値で作成されている為、死亡者の被害の大きさを判断するには、単にレベル(グラフの高さ)だけでなく、右肩上がりになるグラフの傾きに注目する必要があります。
   
その視点で観れば、ロシアの被害の深刻さがはっきりと確認できます。一般的にメディアは、単に累計の死亡者数を人口比率とは無関係に発表する為、人口が3億人を超える米国での累計死亡者数の大きさばかり話題になりますが、実際には、急激な右肩上がりのグラフを描いている、ロシアが死亡者の急増を抑え切れていない事をはっきりと示しています。 その要因には、自国産ワクチン「Sptnik V」の接種率の低さの他に、そのワクチンの有効性が世界的に浸透している “mRNA タイプ” のワクチン、ファイザー製やモデルナ製と比較して有効性が低いという懸念もある様に思われます。
    
また、グラフの傾きという点で他国を観れば、意外にドイツで死亡者が急増していて、昨年末、ワクチンが無く感染爆発していた頃に迫る勢いを示しています。ドイツでは、11月中旬以降、過去最多の新規感染者数を更新し続けていますが、(BIONTECH-ファイザー製の)ワクチン接種を積極的に進めてきたにも関わらず、ワクチン未接種者を中心にした死亡者が多く、新政権発足する段階から、来年2月にはワクチン接種義務化への検討が進んでいるのも頷けます。
そして、それらの国々と比較すれば、日本は全く平穏とも見える程に低い被害レベルに抑え続けています。 また、“オミクロン株” で話題になる 南アフリカは、発見発表間もないとは言え、それ以前よりも死亡被害は出ていない事も分かります。



『 人口あたりのワクチン接種回数 』

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このグラフで明らかな事は、ロシアや南アフリカは世界平均以下の接種率に留まり、それ以外の国々は 高い接種率を達成している事が分かります。
その中で、経済的な損失を最小に抑えたい英国は、現在も多くの新規感染者が記録され続ける中、ロックダウンやそれに準じる厳しい行動規制を避け、主にワクチン接種を積極的に促進させる事で被害を少なく回避する政策を採っています。
特に、“オミクロン株” の発見報告がされた 11月24日以降、速やかに、強力な追加接種計画を発表しています。その内容は、従来は 完全接種後 6ヶ月経過後としていた接種時期を、3ヶ月へと一気に短縮して、しかも この12月と翌年の 1月の 2ヶ月で希望者全員に接種を行なう計画を発表しています。2ヶ月間での接種に対しては、イングランドスコットランドは対応へ向けて進めていますが、ウェールズ北アイルランドは難色を示していると伝えられてはいますが、ワクチン手配計画を含めて事前に想定していた計画である事には間違いなく、強い政治力を感じさせます。
     
そして、その英国に続いているのが フランスとドイツです。急に右肩上がりになっているグラフで明らかな様に、東欧から感染の “波” が近付いている事が明らかになった、10月の段階から積極的にワクチン接種を進めていた事を示しています。
同様に、ドイツよりも早く “波” の到達が予見されたロシアでは、9月末にはワクチンの接種促進へと進めていた事も見えてきます。
    
一方、南アフリカではワクチンの接種が進んでいません。同国で最初に導入されたワクチンは、一回接種で完了する Jassen社 ジョンソン&ジョンソン 製ワクチンだったとは言え、完全接種率は 30%台と低く留まっています。“オミクロン株” が同国で確認されて被害が広がった事は間違いないとしても、同ワクチンが “ウィルスベクター型” である事と、低い完全接種率とを併せて考慮する必要がありますし、メディア報道も充分に配慮すべきでしょう。



 『 追加接種・人口あたり実施回数 』

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このグラフで明らかな事は、英国は群を抜いてワクチン接種を進めて被害を抑える努力を続けている事。そして、過去最多の新規感染者数を記録し続けている、フランスとドイツでも同様にワクチン接種を行なっている事がはっきりと分かります。
一方、日本でのワクチン追加接種行政は全く進んでいません。“人口あたりの死亡者数” との比較で見れば、妥当とも言える状況ですが、世界平均を大きく下回る状況に留まっている事や、完全接種後から接種タイミングが「基本8ヶ月」と世界的な傾向から大きく異なっている事は留意すべきでしょう。



『 今後の対応について 』

現在、日本は鎖国とも揶揄される、邦人を除き厳しい入国制限を課す水際対策と、対応病床を大幅に増加させる対応の 2本立ての対策を進めています。
しかし、厳しい入国制限に関わらず感染拡大の “波” はやって来る事は想定されます。更に、病床数を増やしても、医療従事者数に限りある状況では稼働率を下げる結果に繋がるだけで、政策批判を回避する一手と言われれも仕方無いでしょう。
    
もっと大切な事は、無料PCR検査を市民が自由に受けられる体制や、下水PCRで地域密集地域での感染の早期発見体制を整える事。そして、自宅療養者を生まない様に、看護対応が可能な宿泊施設の拡充こそが大切だと思われます。
更には、ワクチンの追加接種を促進する事でしょう。特に、感染で重篤な状況が予見される方や高齢者、追加接種希望者には、完全接種後 4ヶ月から接種を行なう態勢を整える事でしょう。

 


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