COVID-19 cases per population by country, as of December 15, 2021
世界各国の感染状況は、人口あたりの新規感染者数【感染密度】で比較しなければ、その被害の深刻さの判断は出来ません。この一覧表は、各国の【感染密度】(人口1億人あたり日別・新規感染者数)で、深刻度が高くなっている程に欄を濃い色で塗り分けています。
『 世界の国別・日別、感染密度推移一覧表 』
New infection case per popuration by country and day
全世界での新型コロナウイルスによる感染状況は、欧州で感染爆発と言える程の感染拡大が起きていますが、それ以外の地域では目立つ感染拡大はありません。そして、その中東(西アジア)から東欧、西欧へと伝わってきた感染の波は、東欧諸国から徐々に抑制されています。
その感染拡大のペースが落ちた要因は、中東地域が抑制されたのに続いて、ポーランドやウクライナ、ロシアなどでも減少に転じています。そして感染中心地となった欧州各国で、過去最多の新規感染者数報告が続いていた オーストリアやベルギーでは減少に転じて、ドイツに於いては拡大を抑えつつある状況で、英国やフランス、ポルトガルなどで新規感染者数の拡大が続いているのに留まっています。
一方、オミクロン株で話題になっている南アフリカでは、ワクチン接種率が 30%程度に留まっているにも関わらず、報告された数値を見る限りはさほど深刻な状況には陥っていません。また、メディアによる報道が盛んな米国は、60%台のワクチン完全接種率が大きな要因と思われる高い感染率は続いていますが、オミクロン株自体による深刻な影響は見られません。
最後に、今後注目すべき事は、“死亡者率” (単位人口あたりの感染死亡者数)であると 英国のグラフが示している事を伝えます。
というのも、英国は世界各国の中でも高い【感染密度】を記録し、新規感染者数は過去最多数を報告する程に拡大を続けているにも関わらず、積極的な “ワクチン追加接種” 政策を行なって、感染者の死亡率を低く抑えているからです。それによって、厳しい行動規制や感染対策を緩和して、経済回復へと一気に舵を切り、オミクロン株で各国が入国規制を行なっている南アフリカからの渡航者に対しても厳しい制限政策を採っていない程です。
恐らく、世界各国は英国での政策と結果を吟味して、高い “ワクチン接種率” の実現と経済回復を図り、ワクチン接種多数派の国民の生活を改善していくと思われます。
その様な流れの中、各国間での “ワクチン” 獲得競争が厳しさ増す事が予想されます。経済的・政治的に入手が困難な東欧やアフリカ諸国、中米・南米の諸国での窮状が今後も続く事が懸念される事を忘れてはならないでしょう。
『 今後は、新規感染者数と同時に、人口あたりの死亡者数の確認が必要 』
なお、昨年末、欧州各国で感染爆発が発生した時と今回と異なるのは、欧州各国は昨年の様な厳しいロックダウンを行なわないと見られる点です。
その理由は、国民生活の不安要素や経済損失を減らす事ですが、同時にワクチン接種によって、昨年より遥かに重症化や死亡率を減らしているからです。そして、ワクチン未接種者が新規感染者数を押し上げる原因になっていると判断して、未接種者への接種促進と、追加接種の政策を進めている点が昨年と大きく異なる点です。
従って、今後は単に新規感染者数だけに注目して被害レベルを判断するのではなく、重症者数や単位人口あたりの死亡者数で被害レベルを解析する必要がありそうです。 その解析を行なう事によって、各国の感染対策の有効性がより正確に判断できるでしょうし、日本の政策にも活かせると思われます。
なお、情報出典元の OCHA とは「国際連合人道問題調査事務所」の事です
Source:#OCHA ( https://www.unocha.org/ )
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