『 先週が転換点、1月中旬、世界は新規感染者数が最多予想 』
全世界の COVID-19 の感染状況は、その様相が先週に転換点を迎えて、来年1月以降に過去最多の新規感染者数を記録する恐れが大きくなっています。
では、その新規感染者数の推移を、全世界計とは別に、「インド」と「北米2ヶ国」そして「欧州5ヶ国」(英、仏、独、伊、スペイン)と、それらの国々以外の全世界での新規感染者数をまとめたグラフをご覧下さい。
“青色” 線で示した全世界の新規感染者数は直近一週間で過去最高値を示していますが、その原因は “紫色” 線で示した「欧州5ヶ国」と “緑色” 線の「北米2ヶ国」での感染拡大によるもので、“水色” 線が示す「それ以外の全世界」の新規感染者数には大きな変動が無い事がわかります。
では、今後の予測をすれば、「欧州5ヶ国」や「北米2ヶ国」は今後2~3週間は拡大を続けると予想されます。が、これらの国々は、ワクチン接種率が高く、医療や行政対処能力が高いので重症化や死亡の率は低く抑えると予想されるので、新規感染者数だけに惑わされる必要はありません。
しかし、それら国々以外の地域で感染拡大の兆しがある事を恐れるべきでしょう。その “兆し” が最もはっきりと表れているのは人口の割に観光などで人流の大きな国々で、例を挙げれば、スペインとフランスの国境にある観光立国のアンドラ公国、地中海のマルタ、アフリカ大陸の西の大西洋上のカーボベルデ、インド洋のセーシェル、南太平洋のフィジー、カリブ海のバハマなどでは感染拡大が始まっており、過去の事例と同様に、かなり高い【感染密度】を記録すると思われます。
また、海外労働者数の割合が高い、中東のカタールやUAE の国々でも同様に感染拡大が始まっており、ヨルダンや南米のアルゼンチンでも明らかに感染拡大の兆しを示しています。
以上の傾向が続く限り、1月中旬に向けて全世界で新規感染者数は最多を更新し続けるでしょうが、最も注視すべき国々や地域は、経済面で影響力が大きいワクチン接種率の高い国々ではなく、ワクチン接種率が高くない国々や地域です。
なぜなら、新型コロナウイルスの変異株 “オミクロン株” によって感染し易い人々は ワクチン未接種者だからです。そしてワクチン未接種者が重症化する率が高い事が報告されており、ワクチン接種率が高くない国々で重症化・死亡の事例が一気に増える可能性が高まっているからです。
ただ、先日、WHOが発表の通り、ワクチンを世界中の国々へ供給する為の取り組み[COVAX]へのワクチン供出量が進んでおらず、富裕国の多くが 3回目接種政策を一気に前倒しにしている現在、当面の間は供給量が限られる事が明らかで、ワクチン不足国の窮状が更に心配されます。
『 世界の国別・日別、新規感染者数 』
COVID-19 new cases by country and day, As of Decemberr 22, 2021
全世界での新型コロナウイルスによる感染状況は、「新規感染者数」で見るかぎり、英国やドイツ、フランス、米国などの数か国で拡大しているに留まり、それ以外の大半の国々では安定した状態が続いていましたが、今後はそれ以外の国々で一気に拡大するでしょう。 その兆しは、海外からの人流を抑えられない観光立国であるアンドラ公国の他、マルタ、カーボベルデ、セーシェル、フィジーなどの島嶼国で明らかに現れている他、南米のアルゼンチン や 中東のヨルダンでも危険信号が表われています。また、厳しいロックダウン政策で抑え込んでいたオーストラリアですが、緩和政策へと舵を切った途端に感染拡大を示しており、ワクチン接種率が高い国として英国と同様の政策を採るのか注目されます。
この「新規感染者」表や人口あたりの新規感染者数を示す【感染密度】表は感染状態を示すには最適です。ただ、ワクチン接種率が高い国々では 新規感染者数や【感染密度】では政策を決めず、 “重症化率” や “死亡率” によって政策を変更していくでしょう。一方、ワクチン接種率が高くない国々は同じ政策や対策とはならないでしょう。
そういう各国の判断と国民の状況を把握する為には、今後、人口あたりの重症者や死亡者の人数も一緒に見る必要があるでしょう。
なお、情報出典元の OCHA とは「国際連合人道問題調査事務所」の事です
Source:#OCHA ( https://www.unocha.org/ )
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