『 新規感染者数と治療者数 』
報道では、“第8波” は 感染拡大が止まっている様に伝えていますが、それは “第8波” の特性と人命を無視した報道です。確かに、“第8波” で感染爆発を起こした 北海道や長野県での感染拡大は止まっていますが、東北各県を始めとした各地で感染拡大は続いており、今まで抑えられていた 東京都や大阪府など大都市圏での感染拡大は変わらず続いています。そして、最も注目すべきは、北海道や長野県などで亡くなる人が急激に増えている事で、政府やメディアは 最も大切な人命を救う事への配慮が欠けています。
■ 6週連続、日本の新規感染者数は世界最多続く
■ “第8波” の問題は、大都市圏以外の医療対応の遅れ
日本は、7月からの “第7波” の感染で世界最多の「新規感染者数」を記録した経験がある為か、今回の “第8波” で再び世界最多の「新規感染者数」を記録しても、以前の様な特別な措置をせず乗り切れると判断しているのでしょう。確かに、検査や医療体制には対応力がついたと判断する人も少なくないでしょうが、増加し続ける「新規感染者数」と較べて「治療者数」が増えていない事が示す通り、実際には “第7波” までとは違う問題が発生していると認識すべきです。
それは、別リポート『都道府県別感染状況』で示す通り、“第7波” までは感染被害が大都市圏と較べて少なく収まっていた地域が過去最悪の感染状況に陥っているからです。
大都市圏と較べると、人口密度が低く、医療体制や交通機関も十二分に整っているとは言えない地域で、過去最多の「新規感染者数」を記録している事と「治療者数」が増えていない事は関連があると思われます。
その為、感染して死亡する被害を抑える為に、“第8波” 特有の傾向に合せた迅速な対応が必要です。
『 重症者数 と 死亡者数 』
日本は、今年7月の “第7波” 感染で世界最多の「感染死亡者数」を記録しましたが、現在の “第8波” では更に注意が必要な点があります。それは、「死亡者数」が増加する一方で、「重症者数」がほとんど増加しておらず、重症と診断されないまま死亡する人、つまり充分な治療を受けないままに亡くなっている人が増えている事を示しています。
■ 重症者数は増えないまま死亡者数が増加
■ 医療を受けられず亡くなる人への対応が急務
行政は、「医療機関での対応状況を注視しながら対応する」という主旨の発表を行なっています。つまり、昨年までの人工心肺などが必要な “重症者数” などを注視して、対応病床数を整備する政策に重点を置いていますが、それでは感染死亡者を防ぐには充分ではない事を認識すべきです。というのも、問題は 医師や看護師を充分に揃える事が出来ない医療機関が多く、特に今回の “第8波” では 大都市圏以外での過去最多の感染の為、従来の視点で大都市圏を中心に病床数確保に注目する事は大きな誤りです。
行政のすべき事は、大都市圏以外での医療体制の充実に緊急の対策を行なう事と、今後の感染状況の把握の為に、【下水PCR検査】などを本格的に導入して、人々の発症と検査結果を待つのではなく、全国的な感染状況を発症以前から正確に把握して、「ウィルス株」を特定して、必要な対策を発症以前に採るシステムを確立する必要があります。
出典 : 厚生労働省
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