新型コロナウイルスによる世界各国の被害状況を、日本や各国のメディアが報道する情報だけを鵜呑みにしているとウイルス禍の本当の姿は見えません。
何故なら、メディアは感染者数や死者数といった毎日増え続ける累計の数字だけに偏り勝ちで、回復した人々の存在はおろか、治療中の人々の人数さえ報道しないので、真に支援が必要な人々や対応している医療従事者や施設への配慮が抜けているからです。
この表では、各国が発表している治療中の患者さんの人数を、人口1億人あたりの人数・“治療者密度” の順番でまとめています。
この表を見れば、医療水準が世界でトップクラスの米国が一番に表示されている事から、一気に拡大して感染の勢いで患者の人数が増えて医療機関に負担が掛かっている事が分かります。ただ、180万人以上にのぼる患者の人々の多くはいずれ回復されるのは間違いないでしょう。
一方、2番目以降の国々では米国と事情が異なっている事が推測できます。
独自の感染対策を進めてきたスウェーデンは退院率が大変に低く、感染している方の多くが回復力が弱い高齢者の方が多いと推測されます。同国は一時 抑えていた感染が広がった時期もありましたが、現在では新規感染者数を抑えて独自の対策に工夫が加えられて実効が上がったと思われます。
3番手から5番手の国々は、メディアでは殆ど話題に取り挙げられませんが、米国やスウェーデンの医療水準などとの違いを考えれば、支援を必要としている人々が多く居る事が分かります。特に、アルメニアは東欧の独自の言語や宗教を持つ小国で、国際的な支援が受けられ難い状況と想像されるので、特に注目すべき国だと思われます。
そしてイギリスが不思議です。世界的にも医療水準は高い筈の同国の致死率は高く、その上、退院率もとても低く、初期の感染対策に多少の遅れがあったとしても、他国と比較すれば特色のある感染状況だと言えます。 同国は最近、50カ国との渡航制限を解除する発表をするなど、EC離脱への対策を含めた経済回復に向けて躍起になっていますが、その舵取りに世界は注意を払っているのは間違いありません。
出典 Johns Hopkins CSSE, Trading Economics
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