『 感染爆発が続き、憂慮すべきは自宅療養者 』
10週間前から始まっている “第5波” は、下記のグラフの青色線の通り、 年末年始の “第3波” や 4月~5月の “ 第4波 ” の 3倍の規模に拡大して、まだ爆発的に拡大する気配です。
そして、今一番心配すべき事は、治療を受けられず自宅や施設で療養を強いられている人々の増加です。本来ならば 感染が確認された人が増えるにつれて、治療を受ける人の数も増えていくものですが、グラフの赤色線が示す通り、先週から、感染者の一気の増加にも関わらず、治療者数の増加は停滞しています。
この事は、本来ならば病院などで治療を受けているべき人が、病床や医療従事者数の制限の為、医療機関で治療を受けられていない事を示していると思われます。この事は、4月~5月、大阪府や兵庫県で治療を受けられずに多くの方々が亡くなった時の状況と同じですから、今後は一気に多くの方が亡くなる可能性が高いと想定されます。
『 死者を減らす事に集中すべき 』
4月23日 から 7月23日 の 3ヶ月間に感染で亡くなった方の人数は 5000人を超え、“ 第5波 ” によって今後増える影響を考慮すれば、一年間で 2万人以上の方が亡くなる見込みになります。これは、最も交通事故による死者数が多かった 1970年の数字を超え、現在は社会問題となっている自殺者数をも超えており、無視できない人数の方が今後も亡くなるのです。
この死亡原因で分類すれば、「心臓病や肺炎で亡くなる人の方が圧倒的に多い」のは事実ですが、それらの数字の中には後期高齢者の方が亡くなった原因として、検視担当の医師が老衰ではなく病名を書いた結果が数多く含まれている事も事実です。
感染力が 従来株よりも 2倍以上高い “ デルタ株 ” の影響によって、一気に拡大している「新規感染者数」に注目が集まっていますが、人命を救うという究極の目的に集中すべき段階です。
その為には、「新規感染者数」や「病床使用率」よりも、「感染した人の 何%が治療を受けられているか 」に注目して問題視すべきですし、単に医療機関の受け入れ体制だけを問題視するのではなく、それを把握する為の社会福祉システムをフルに活用する事が必要です。現在、保健所が進めている感染ルートの把握と予防的措置は「感染者への医療実施度」へ重点を移したり、電話で行なっている感染者や濃厚接触者への聞き取りや医療機関との調整は、SNSやグループ内データ通信システムの積極的な活用を進めていくべき段階だと思います。
【 自宅療養者 】という言葉は、自宅で安静していれば治る人の事ではなく、医療が充分に受けられない人の事だと私達やメディア、行政も広く認識すべきです。
出典 : 厚生労働省
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