世界全体で新規感染者数が増加を始めて2週間余り、その勢いは抑えられず拡大を続けています。その感染拡大の中心地域は、先週に報告と同じく、西欧からロシアまでの広い地域と南のバルカン半島諸国に至る広い地域です。
ただし、国により情報発信に偏りがあり、メディアはフランスやイタリアなどに注目していますが、第一波の時と同じく、実際の感染中心地はベルギーからルクセンブルク、チェコなどの地域だと理解すべきでしょう。
その地域から西欧と東欧、バルカン半島諸国へと広がり、特に注目すべきはロシア国内での感染者数の伸びです。同国はワクチンの承認を急ぎ、感染者数発表も安定を装い、国民の不安の増大と政府批判を抑えてきましたが、その感染者数が伸びているというサインは他国と同じに扱ってはいけないからです。
今回の欧州全般での感染拡大の原因は、3~4月の抑圧的なロックダウンで負った経済損失と政情不安を解消する為、バカンスシーズンに合わせて行動規制を大幅に解除した事にあると言って間違いは無いでしょう。そして、3~4月当時を大幅に超える感染規模に至ってしまった今、各国共に限定的な行動制限に留める政策を推し進めて、以前の様なロックダウンは避ける方針を貫いています。
経済と政治、国民生活の安定を考えれば当然の事ですが、3~4月当時のロックダウンで収束には 3ヶ月近くかかり、今もなお、治療薬はおろかワクチンさえ無い状況では、今回の第2波が収束する時期は来春になる可能性が大だと言えます。
世界は経済や文化の停滞を抑える為、今後共にそれらの活動の促進は続ける事は間違いないでしょう。しかし、そんな時期に世界中の人を招いてオリンピックを開催する事のリスクを負う事に大きな意義があるとは思えません。それは、開催国が負うリスクの大きさ以外、オリンピックを通じて世界中にウイルス拡散をしてしまう危険性を負うリスクの方が大きいのです。
今回、フランスなどの感染拡大だけが注目されていますが、実際にはベルギーやルクセンブルクなどを中心に拡散している現象を見るにつけ、尚更リスクの大きさを考えざるを得ません。
出典 : OCHA
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